抄録
目的:後天色覚異常は、通常眼科診療ではあまり顧みられない。しかし、実生活では不便を感じているケースも多い。当院でおこなっている女性の後天色覚異常者を対象としたケアについて報告する。
方法:対象は、当院の受診者および京都ライトハウス施設の利用者である。相談は、色彩コーディネーターを取得した視能訓練士が担当した。相談は予約制で、時間は約1時間である。自作の色名呼称検査を行い、間違えやすい色と間違えにくい色についての再確認を行った。希望者には、パーソナルカラー(その人に似合うプラスの印象を与えてくれる色)についてなどの情報提供を行った。
結果:自作の色名呼称検査は、低視力者の色感覚の評価に有効であった。相談者はファッションやメイクの似合うカラータイプについての関心が高かった。
結論:相談者の実生活で感じている不便を緩和するために色についての相談を行うことは大きな意義がある。