日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第8回日本ロービジョン学会学術総会/第16回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 合同会議
セッションID: PII-11
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ポスター II
中途視覚障害者における受障後の意識の変化過程について
中高年の眼科外来患者を対象とした探索的研究
*上野 英子保野 孝弘田淵 昭雄小池 将文
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抄録
 著者らはこれまで、視覚障害者が受障後、自分の障害を受け入れていくためには、その障害や疾病、享受できる福祉制度の知識を十分に獲得することが重要であることを報告してきた。障害や本人の疾病に対し、初期に適切な説明と今後のあり方が情報提供されると、障害や疾病そのものに対する不安が軽減すると考えられる。そのため、視覚障害者が受障後、障害を受け入れていくためにどのような心理的な変化が起こるのか、どのように障害を捉えていくのかなど、その障害受容過程を明らかにすることに重点を置いてきた。前回は、藤井ら(2005)を参考にテキストマイニング手法を用いてテキストを切片化し、品詞の出現頻度を調べ、障害受容過程を検討してきた。本研究の目的は、中高年の中途視覚障害者を対象に、自己意識、障害に対する意識、社会に対する意識の3点から、受障後の意識の変化過程を明らかにすることである。
 対象は、中途視覚障害者8名(平均年齢63.4歳;男性6人,女性2人;糖尿病性網膜症4人,緑内障1人,悪性近視1人,網膜色素変性症1人,強度近視1人)であった。いずれも、A眼科クリニック(T市)を受診し、視覚障害を原因とした身体障害者手帳を所持する者および、手帳取得に該当する者であった。方法は、半構造化面接調査法で実施した。調査内容は、小嶋(2004)を参考に1.現在の障害の状態、生活状況、2.受障前の自己に対する意識、3.障害に対する意識の変化、4.社会に対する意識の変化、5.自己に対する意識の変化、について聴収した。なお対象者には、眼科クリニックに来院した際に、本調査の説明を十分に行い、実施について同意を得た。分析は、逐語記録から、障害受障後の心理状態をKJ法で分析した。
 結果および考察については、現在3名の対象者のデータを追加分析中であり、大会では、2.受障前の自己に対する意識、3.障害に対する意識の変化、4.社会に対する意識の変化、5.自己に対する意識の変化、について報告する予定である。
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© 2007 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
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