日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第9回日本ロービジョン学会学術総会
セッションID: PII-03
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グレア評定における主観評価と視機能評価の関連
*渡邊 あゆみ川嶋 英嗣川瀬 芳克
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抄録
【目的】グレアの評価は主観評価に基づく方法と視機能評価に基づく方法に分けられる.本実験ではマグニチュード推定法を用いての不快グレア,低コントラスト視力の計測による減能グレアの定量・評価をおこない,主観評価と視機能評価の関連性について検討した.
【対象】矯正視力1.0以上で屈折異常以外に眼疾患を有しない8名(年齢21~23歳).
【方法】白色LEDに分光透過特性の異なる12種類のカラーフィルターを挿入し,眼前55cm,利き目の耳側20度方向から眼にむけて照射した直接グレア光について,視力0.25に相当するサイズで輝度コントラスト3%のランドルト環を見ているときのグレア光源の明るさと視標の見やすさに関するマグニチュード推定値と,輝度コントラスト3%のランドルト環を用いた低コントラスト視力値の測定を行った.
【結果】カラーフィルターの視感透過率が低いほど低コントラスト視力は良く,相関係数は0.9154となり視感透過率と低コントラスト視力の間には高い相関が得られた.また,視感透過率が低くなると主観的にグレア光は暗く,視標は見やすく感じるという傾向が認められた.一方,見やすさのマグニチュード推定値と低コントラスト視力値の相関係数は0.2214,明るさのマグニチュード推定値と低コントラスト視力値の相関係数は0.2530となり,ともに相関関係は認められなかった.さらに見やすさと明るさの2つのマグニチュード推定値間では相関係数は0.5612となり,統計的に相関は認められなかった.
【結論】グレア光に対するカラーフィルターの装用効果について,主観評価と視機能評価は必ずしも一致しないことが示唆された.
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© 2008 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
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