抄録
目的:昨年のロービジョン学会でも、「拡大読書器を使用すると眼が疲れる」という報告がなされている。また株式会社アサクラメガネスタッフが各地の福祉事務所を訪問した際の反応としても、充分に拡大読書器を使いこなせないでいる方が見受けられるという報告を聞いている。
拡大読書器を「眼が疲れないように快適に使用するためにはどうすればいいのか?」を考えたとき、適切な使用方法を確認できるようにするために「視覚障害を持つ方が読むマニュアルであることを配慮した使用説明書」が必要であるというコンセプトに基づき、作製を試みた。
方法:タイムズコーポレーション社製AV100ネオの使用説明書を、以下のことに留意して作成した。
1・スイッチ操作編・基本操作偏・応用操作編・逆引き操作編(文字がどこにあるかどうかわからなくなる等の状態に応じた操作方法)の4操作ごとに、説明書を分けること。2・一つの動作ごとにイラストを使用すること。3・文章は極力少なしイラストによる視覚効果で行う動作を判断できるようにすること。4・視覚効果を高めるために、強調したい部分のイラストのパーツを太くすること。
考察:拡大読書器を適切に使用していくためには、イメージとしてわかりやすくかつ、購入時に説明を受けた望ましい使用方法を確認できる説明書が必要と思われる。