日本レーザー医学会誌
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子宮頸部上皮内腫瘍に対するタラポルフィンナトリウムを用いた光線力学的療法
村上 浩雄 松家 まどか安立 匡志伊藤 敏谷柴田 俊章中山 毅岡崎 茂俊伊東 宏晃金山 尚裕
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論文ID: jslsm-40_0063

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抄録

【目的】子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia: CIN)及び初期子宮頸がんは生殖年齢で多く認められる疾患である。それらに対する治療法として妊孕性温存に配慮した治療法の選択が求められる。その中で光線力学的療法(Photodynamic therapy: PDT)は非侵襲的で子宮頸部温存ができ治療成績は円錐切除に劣らない。今回,我々はタラポルフィンナトリウム(NPe6)を用いて9例のCIN症例に対しPDTを行いその治療効果と光線過敏症に対し評価することを目的した。

【方法】CINと診断された9例に対しPDTを施行した。40 mg/m2のNPe6を静脈投与し,光線照射(100 J/cm2)を行った。

【結果】CIN2が2例,CIN3が7例の計9例に対しPDTを施行した。追跡できた8例は照射後3か月後及び6か月後の検査で治癒を認めた。直射日光による皮膚光感受性試験では,1例が投与後28日まで皮膚光感受性を認めた。

【考察】NPe6によるPDTはCINに対する有望な治療法であることが示唆された。

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