論文ID: jslsm-41_0034
膀胱癌に対するアミノレブリン酸光線力学診断(5-aminolevulinic acid-based photodynamic diagnosis: ALA-PDD)における診断深度の励起光波長の選択による拡張を検証した.膀胱組織中の光減衰とプロトポルフィリンIXの光吸収特性に基づく理論計算で,腫瘍の深さが0.9 mm以深では波長505 nmの緑色光励起で蛍光強度が最も高くなった.摘出ブタ膀胱組織を用いた実験で,現行ALA-PDDシステムで用いられている波長405 nmと波長505 nmで励起した場合を比較した結果,腫瘍の深さが0.8 mm以深で励起光波長505 nmの蛍光強度が高くなり,緑色光励起による診断深度の拡張を実証した.