日本レーザー医学会誌
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原発性肝癌の静脈内腫瘍塞栓に対する、レーザー照射療法
小井戸 一光長川 達哉信田 亜一郎及川 由美子渡辺 雅男佐藤 隆啓夏井 清人宮川 宏之今村 哲理八百坂 透須賀 俊博村島 義男
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1990 年 11 巻 3 号 p. 3-8

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抄録

原発姓肝癌の静脈内腫瘍塞栓に対してレーザー照射療法をおこなった。8例のHCCに対して同療法を施行したが、6例は十分な照射前に肝不全のため死亡した。しかし門脈分枝の腫瘍塞栓の完全消失例と腫瘍塞栓の増大阻止例をそれぞれ1例ずつ経験した。前者は1年3カ月生存し、後者は1年8カ月生存中で、外来通院をしている。一方、下大静脈と門脈本幹の腫傷塞栓に対しては、主腫瘍が巨大で、肝機能も不良な例が多く、本療法による効果は余り期待できない。
同療法は非手術的には腫瘍塞栓に対する直接的な唯一の治療法であるが、肝機能が不良でなければ、VP3HCCのTAEを可能にする有用な治療法になりうるものと思われた。

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