日本レーザー医学会誌
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低出力レーザー生体作用の生物学的立場からの考察
守本 祐司荒井 恒憲
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1997 年 18 巻 1 号 p. 9-17

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抄録
低出力レーザーの細胞レベルにおける作用を論じた。低出力レーザーの最も重要な働きは細胞増殖作用である。その効果は照射時点の細胞周期, また細胞の生理学的な状態に影響され, 照射強度, および波長域に依存する。しかし, レーザーの有する高空間的コヒーレンスは関与しないと考えられる。適切な強度, 波長域の光はミトコンドリア内膜上の呼吸鎖構成要素 (フラビン, シトクロームなど) に吸収され, 電子伝達系, ATP合成を賦活化すると推測される。過剰強度の照射は活性酸素を励起し, ミトコンドリア内膜を傷害すると考えられ, 結果的に細胞増殖は抑制される。
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