昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
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原著
体腔内Birrloth-I法再建(デルタ吻合)を用いた腹腔鏡下幽門側胃切除術の検討
山崎 公靖村上 雅彦田嶋 勇介広本 昌裕加藤 礼山下 剛史有吉 朋丈五藤 哲大塚 耕司藤森 聡榎並 延太渡辺 誠青木 武士加藤 貴史
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2012 年 72 巻 6 号 p. 670-673

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抄録
教室では1999年より早期胃癌に対して腹腔鏡手術を導入し,手術手技の安定に伴い2005年より一部の進行胃癌にも適応を拡大してきた.また,導入当初は小切開を置いて胃十二指腸吻合を直視下に行う腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(Laparoscopy-Assisted Distal Gastrectomy,以下LADG)を行っていたが,2005年よりさらなる低侵襲を目的に自動縫合器を用いた体腔内Billroth-I法再建であるデルタ吻合を導入し,完全腹腔鏡下幽門側胃切除術(Laparoscopic Distal Gastrectomy,以下LDG)として現在までに137例に施行した.その治療成績をLADG62例と比較検討し報告する.LDGでは病理学的進行度の進んでいる症例が多かった.平均手術時間はLDGで有意に短く(219分 vs 287分,P<0.001),平均出血量も少ない傾向が認められた(86mL vs 121mL,P=0.0646).リンパ節郭清範囲,郭清リンパ節個数,術後合併症,術後在院日数は両群間で有意な差は認められなかった.現在教室で行っているデルタ吻合を用いたLDGの短期治療成績は良好なものであった.今後は長期治療成績の検討と進行胃癌に対するD2郭清を伴うLDGの定型化が重要であると考えられた.
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© 2012 昭和大学学士会
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