抄録
初期治療に反応が乏しかった気管支喘息大発作の2症例に,硫酸マグネシウム(以下MgSO4)を点滴静注し呼吸状態などの改善が得られた.またMgSO4投与前と1時間後に血清総Mg値(total Mg:以下tMg)と血漿イオン化Mg値(ionaized Mg:以下iMg)および血漿イオン化カルシウム(ionaized calcium:以下iCa)を測定した.2症例ともMgSO4投与前後でtMgとiMgは上昇し,iCa/iMg比は低下した.作用メカニズムから特にiCa/iMgの変化はMgSO4投与の効果判定の指標となる可能性が示唆された.今後は症例数を増やしてその効果と安全性を明確にし,気管支喘息治療における位置づけを定めていく.