昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
各種クロロマイセチン並にその誘導体の病原性腸内桿菌に対する抗菌價の比較について
関 盛久南沢 康雄斎藤 誠
著者情報
ジャーナル フリー

1951 年 11 巻 1 号 p. 60-63

詳細
抄録
1.Chloromycetinは純度, 製造所の相異によつて若干の抗菌價に差を生ずるが, Salmonella菌属に対しては5γ~10γ度, 赤痢菌属に対しては1γ~2.5γ濃度 (菌種によつては5γ濃度) で発育阻止が認められる (第1表) .
2.新分離赤痢菌株も保存菌株と略ゝ同樣な抗菌價を示すが, 稍ゝ高濃度を必要とする菌株がみられ, 大原菌.においては特にその傾向が強かつた.
3.Terramycinは, 保存菌株のSalmonella菌属, 赤痢菌属に対して5γ濃度で, 新分離赤痢菌株に対しては2.5γ~5γ濃度で発育阻止がみられた.
4.Chloromycetin誘導体は期待した抗菌價は得られなかつたが, Propylenglycolで溶解することによつて抗菌價は顯者に上昇した.
(本論の要旨は紹和26年4月, 第13回日本医学総会第9分科会 (第24回日本細菌学会) で報告した) .
本研究に際し培養製剤を供與された梅沢博士と誘導体を供された東大菅沢教授に厚く御礼を申上げる.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top