昭和医学会雑誌
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吃音に関する臨床的研究
第1報 吃音者の精神電流現象 (皮膚電気反射) の研究
今関 好晴
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1959 年 19 巻 9 号 p. 833-839

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抄録
吃りのpsycosomaticな研究の一環とし, また吃りの生理学的指標としてP.G.R.を選んで, その適用の臨床的意義を明らかにすること及び吃音者へのAstynの効果を検べ, 吃りの本質を開明する目的で, 上述の実験的研究を行つた.その結果次のことが見出された.
1) P.G.R.は吃音者の不安緊張を反映して, かなり規則的に変化すること.従って吃りの程度, 治療効果の判定をより正確にする一つの指標となり得ること.
2) Astynは吃音者に効果的であること.偽剤も暗示を伴う場合は, 特に二級吃secondary stutterersに顕著な効果をもつことを, P.G.R.をとおして明らかにした.これは吃りの本態の究明にもまた治療上にも重要な手がかりを与える.
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