昭和医学会雑誌
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蛋白同化ホルモンの副腎皮質ホルモンに対する拮抗作用―鶏胎仔の骨発育に関する実験的研究―
門馬 満
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1971 年 31 巻 11 号 p. 567-587

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抄録
副腎皮質ホルモンの適当量を艀卵7日目の鶏胚に注入すると骨の発育は抑制され倭小体を生ずる.これに対し蛋白同化ホルモンを同時に適当量注入した場合には副腎皮質ホルモンによる作用は抑制され, 骨発育も良好で体重および脛骨長径の増加, 骨端軟骨の成長も促進される.
組織学的には骨髄腔の拡大, 各軟骨層の境界の鮮明化, 柱状層細胞の配列の規則性の増強, 骨芽細胞の出現などを認める.PAS染色では静止軟骨層における著明なGlycogenの増量, Alcianblue染色とToluidineblue染色では柱状層・泡状層におけるAcidmucopolysaccharideの増量などを認める.これらの事実から, 鶏胎仔では蛋白同化ホルモンは副腎皮質ホルモンに対し拮抗的に作用するばかりでなく骨化のための良い環境を作っていると云えよう.
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