抄録
マウスの脾, 胸腺, 胸廓リンパ節, 腸間膜リンパ節, 鼠径リンパ節より集めた細胞を抗原としてウサギに注射し, 抗リンパ球血清 (ALS) を作り, 同様にマウス胸腺細胞のみによる抗血清 (ATS) を作つて, 小形条虫に対する宿主マウスの再感染防御能 (獲得性免疫) に及ぼす影響を調べた.その結果用いたATSのみ有効で, 防御能は有意に低下し, 再感染が成立しやすくなつたが, ALSは無効であつた.このことは防御能が細胞性免疫との関連において考慮されるべきものであることを示唆している.さらにALSとATSの作製法, 作用機序等について論議し, 今後の問題点を提起した.