昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
急性ネコ脊髄反射活動電位に及ぼすセロトニン前駆物質の影響について
坂本 浩二笠原 多嘉子松宮 輝彦
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 40 巻 6 号 p. 707-714

詳細
抄録
セロトニン前駆物質である5-Hydroxytryptophan (5-HTP) について急性ネコ脊髄反射活動電位の立場より検討を行った.L-5HTP並びにDL-5HTPは共にMonosynaptic reflex (MSR) を上昇させPolysynaptic reflex (PSR) を低下させる.L型はDL型に比較し効果発現までの時間が短く, 効果消失までの時間も短かった.L-5HTPの外頸動脈からの投与は, 前腕正中静脈よりの投与に比較し効果発現までの時間が短く, 効果時間は長かった.Decarboxylase inhibitor (Benserazide hydrochloride, R0 4-4602) は50mg/kg i.v.ではMSR, PSR共に影響を及ぼすが, 25mg/kgi.v.では影響を及ぼさなかった.R04-4602 25mg/kg i.v.前投与L-5HTP 75mg/kgi.v.ではMSRに変化はなくPSRに低下を認めた.R0-4-4602 25mg/kg i.v., L-5HTP75mg/kgi-v.の同時投与では, MSRの低下を認め, PSRの変化は少なかった.L-5HTP75mg/kg i.v.前投与R04-460225mg/kg i.v.では, MSRの上昇はすみやかに抑制され, PSRへの影響は少なかった.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top