昭和医学会雑誌
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特異減作療法 (ダニ, キヌ, アルテルナリア) 施行中の喘息児に於ける特異IgG, IgE抗体の変動
林 義久
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1981 年 41 巻 2 号 p. 175-184

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抄録
減感作療法の作用機序の1つに遮断抗体の産生説があげられている.遮断抗体はIgG分画に属するとされているが詳細は不明な点が多い.今回著者はダニ, キヌ, アルテルナリアの3種抗原で減感作療法を行なっている101名の気管支喘息児について血清中の各抗原に対するIgG, IgE抗体を測定した.この結果, いずれの抗原においても, 減感作療法を長く継続する群ほどIgG抗体の上昇は有意な相関をみた.IgE抗体とIgG抗体との間に一定の傾向は認められず, IgE抗体の変動と臨床症状との間に一定の関係は認められなかった.以上のことより減感作療法により, 増加したIgG抗体は遮断抗体として作用している可能性を示唆した.
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