昭和医学会雑誌
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左肋間動脈肺動脈瘻を合併した胸腔内良性嚢胞性奇形腫の1治験例
松本 文夫長谷川 貢井上 豊祐片桐 敬杉田 幸二郎新谷 博一松田 賢李 雅弘高場 利博増田 弘毅
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1981 年 41 巻 3 号 p. 347-351

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抄録

症例.41歳, 女.昭和41年胸膜炎, 昭和53年胸部異常陰影を指摘され来院.入院時現症: 第4肋間左鎖骨中線より1横指外側に拍動, 心尖部~ErbにL-IIの収縮期駆出性雑音を認める.検査: 軽度貧血, 網赤血球, 血小板軽度高値を認める.胸部X線上, 左胸膜肥厚と左第3, 4弓に接し辺縁円滑境界明瞭な腫瘤状陰影を前縦隔に認め, 気管支造影で腫瘍による圧排像を認めたが, 中断・閉塞を認めず.胸部CT像で心に接し境界明瞭な約3×4cmの円形陰影を認め, 選択的肋間動脈造影で左第5, 6肋間動脈からの左肋間動脈肺動脈瘻を認めた.将来起こり得る合併症を考慮し, 腫瘍と瘻を外科的剔除し, 腫瘍は病理組織学的に良性嚢胞性奇形腫と診断した.

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