昭和医学会雑誌
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濾胞性リンパ腫の臨床病理学的検討
鈴木 和郎布上 直和北村 公博浅野 洋治中牧 剛鶴岡 延熹清水 盈行杉山 喜彦風間 和男
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1982 年 42 巻 4 号 p. 511-517

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抄録
濾胞性リンパ腫について臨床的・細胞学的検索がなされた症例の報告は少ない.著者らは濾胞性リンパ腫6例 (全例, LSG分類で濾胞性中細胞型) を経験し, 臨床病理学的, 特に白血化について検討した.性差はなく, 高齢者に多く, 原発巣はリンパ節であった.白血化している症例は6例中4例にみられ, 骨髄に浸潤している症例を含めると全例であった.白血化した症例の臨床所見, 血液所見に特異的なものはなく, 肝脾腫を伴った例で白血化が多かった.また, 腫瘍細胞がAlP染色陽性を呈した症例, 核型異常46, XY, t (1p-; 7p+) を示した症例, 胸腔内でlargenon-cleaved cellあるいは芽球化したsmallc leaved cellが増殖したと考えられる症例を経験した.
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