通常の帯状疱疹の経過中に原発病巣より離れた部位に, 小水萢等の発症をみる汎発性帯状疱疹の2例を経験した.1例はほぼ全身に水痘のごとく播種状に小水疱等が生じた典型的なものであった.2例目は通常の帯状疱疹発症後4~6目にて, 顔面, 四肢, 腰部等に1ケから10数ケ程の皮疹が生じたものであった.これら2例に生じた撒布疹の水疱蓋のSmear標本について, 一次抗体に抗水痘Virus人血清を用い, 二次抗体にFITC標識抗人IgG血清を用いる螢光抗体法により観察した.全ての撒布疹において陽性所見を得た.この結果から, この2症例は臨床的に極めて異なるとはいえ, 病因的にはいつれもVirus血清の結果生じたものと思われた.