昭和医学会雑誌
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赤白血病患者に認められた異常ヘモグロビンの一例
高木 康安井 辰夫新谷 和夫千住 紀五味 邦英石井 暢水上 忠弘日野 研一郎小笠原 寛森川 昭洋鶴岡 延熹清水 盈行
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1983 年 43 巻 5 号 p. 699-703

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抄録
末血の超生体染色で赤血球がゴルフボール様に染色される症例に遭遇し, 異常ヘモグロビンの存在を疑い種々の検索を行なった.デンプンゲルによる電気泳動で通常のヘモグロビンAよりfast位に易動する異常ヘモグロビンが観察された.更にイオン交換カラムクロマトグラフィにより異常分画を抽出し, PCMB (p-chloromercuribenzoic acid) 処理後のヘモグロビン電気泳動で, この異常分画はβ鎖と未解裂のヘモグロビンのみであることが確かめられた.以上の検索結果より本症例の異常ヘモグロビンはβ鎖のみからなるHbHである可能性が極めて強い.
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