昭和医学会雑誌
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転移性リンパ節腫瘍周囲のT-cellおよびPlasma cell Seriesの変動について
―Alpha-Naphthyl-Acetate-Esterase染色による検索―
杉山 喜彦太田 秀一塩川 章九島 巳樹梶山 浩滝本 雅文渡辺 秀義飯田 善樹鶴田 幸男近藤 和男夏川 周介
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1984 年 44 巻 6 号 p. 775-778

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抄録

28例の転移性リンパ節腫瘍周囲のT-cellとPlasma cell Seriesの変動をリンパ節スタンプ標本によるANAE染色を用いて検索した.16例の転移性癌の4例のみT-cellがやや増加を示したが一方Plasma cell Seriesは比較的保たれており, 数例ではかなり増加していた.NeuroblastomaとEwing-SarcomaではT-cellがかなり増加を示していたがその機序は不明であった.甲状腺の髄様癌ではPlasma cell Seriesの比較的増加がみられた.6例中5例の未分化腫瘍ではANAE活性, 特にT-cellにおける活性の減弱を示していた.悪性腫瘍の予後に関する一因子としてT-cellの機能やリンパ節のT-zoneの状態が, 特に原発巣の所属リンパ節に関して述べられている.悪性腫瘍の増殖や転移に対する防禦機序の解明が待たれる.

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