昭和医学会雑誌
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インターフェロン療法によってSeroconversionがみられたステロイド離脱療法無効B型慢性肝炎の1例
柴田 実住野 泰清吉田 直哉定本 貴明岡田 正佐藤 源一郎上野 幸久遠山 正博野中 博子Yoshio HATTA
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1988 年 48 巻 1 号 p. 113-117

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抄録
症例は36歳男性, e抗原陽性の慢性活動性肝炎.昭和62年8月, ステロイド離脱療法を試みるも効果なく, 約12ヵ月後に肝機能の増悪をきたしたため, インターフェロン療法に切り換えたところSeroconversionをきたし, 肝機能が正常化した.当院におけるステロイド離脱療法有効例は全例が治療後12か月以内にseroconversionもしくはseronegativeをきたしている.従って, ステロイド離脱療法後12か月を経過してもseronegativeをきたさず, 加えて肝病変の進展が認められた場合にはステロイド無効と判断し, 本例に用いたインターフェロン療法を含め, 次の治療を考えるべきである。
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