昭和医学会雑誌
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交感性眼炎の一症例
野近 裕美子諸星 利男副島 和彦神田 実喜男孫 憲麗
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キーワード: 交感性眼炎, 硝子体手術
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1989 年 49 巻 2 号 p. 199-202

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抄録

数回の硝子体手術や網膜剥離の手術に加えてシリコンオイル注入など多因子の相乗的作用のために交感性眼炎を発症, その後3年間半にわたって保存療法を行ったにもかかわらず6回の再発を繰り返したために起交感眼を摘出した症例を経験した.病理学的には虹彩および脈絡膜にリンパ球を主体とした単核細胞浸潤と類上皮細胞の肉芽腫の形成が認められた.網膜は萎縮しシリコンオイルが網膜下および網膜内に存在し, 一部ではシリコンオイルがmacrophageに取り込まれている.
このような硝子体手術や網膜剥離の手術後に生じる交感性眼炎は今後さらに増加する可能性があると考えられる.

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