抄録
ヒト胎盤水解物製剤Laennec (LAE) は, 肝疾患に対して皮下あるいは筋肉注射によって用いられてきた.SD系雄性ラットによるCC14急性肝障害に対するLAE静脈注射の影響を血液凝固能ではHPT, PT, PTT, フィブリノゲン, 凝固XIII因子, AT III, 線溶能ではPLG, α2PIについて検索した.肝障害の指標としてはGOT, GPTを測定し, その他, Ht, 肝重量対体重比も測定した.CCl4 0.5ml/kgに対してLAE1.0ml/kg, 同日に2回静注投与ではPTおよびPTTに改善が認められた.またCCI41.0ml/kgに対してLAE1.0m1/kg, 前投与, 4日間静注ではPTおよびPTTには改善がみられなかったが, 肝重量対体重比の増加が抑制された.