昭和医学会雑誌
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日本人成人女性の下顎と頸部のなす角度について
―加齢変化の検討―
原 順子清水 靖夫
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1996 年 56 巻 2 号 p. 190-200

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抄録
日本人女性における下顎と頸部のなす角度については, 本研究に先だって清水1) が20歳代の女性を対象に調査を行い, フランクフルト平面を水平位においた位置と頸部を最大伸展位においた位置において調査を行っている.本研究においては, 計測方法を清水と同じくし, 調査対象を15~64歳まで拡大し, 角度の計測に加えて頸部の形態のタイプ分けを行い, その加齢変化について検討した.タイプ分けはTypeIを二重顎でないもので, くびれがはっきりしたもの, Type IIを二重顎でないもので, くびれがはっきりしないもの, Type IIIを二重顎を呈するもので, くびれのはっきりしたもの, Type IVを二重顎を呈するもので, くびれのはっきりしないものとした.267人の計測の結果, 下顎と頸部のなす角度の, フランクフルト平面を水平位としたものと, 頸部を最大伸展位としたものの角度と年齢の間には相関関係はなく, タイプ分けではTypeIが165人, Type皿が38人, Type皿が25人, TypeIVが39人であり, 35~39歳群を境に, 形態の美しいTypeIが急激に減少し, この年代が頸部の加齢変化の起こる境界線であることが示唆された.また, タイプ別のそれぞれの角度はいずれもType III<TypeI<Typer V<Type IIとなり, Type Iと他のTypeとの間には有意差があった.二重顎のあるType IIIが形態的に美しいType Iよりも角度が小さくなり, 加齢とともに下顎と頸部のなす角度が大きくなるという説は誤りであり, 頸部の加齢変化を検討する際には, 計測値にたよるのではなく, 形態で評価するべきであるという知見を得た.
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