昭和医学会雑誌
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食道憩室穿孔による縦隔膿瘍の一例
福島 淑隆南沢 佐代子岩永 昌彦柴田 実小貫 誠三田村 圭二
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キーワード: 食道憩室, 縦隔膿瘍
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1996 年 56 巻 3 号 p. 337-341

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抄録
症例は58歳男性.主訴は, 発熱, 嚥下困難, 精査治療のため入院した.入院時38℃の発熱および軽度の意識障害を認めた.血液生化学検査で, 炎症性反応の著明な亢進を認めた.胸部X線検査には右下肺野の肺炎像を認め, 上部消化管内視鏡検査では, 食道憩室を認めた.入院後DICを併発し急速に病状が悪化し死亡した.病理解剖所見より食道憩室の穿孔による縦隔壁瘍と診断した.食道憩室の穿孔はまれであるが, 今回の症例のように重篤な合併症をきたすことがあり報告した.
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