麻疹で認められるinterface dermatitis, 風疹で認められるsuperficial perivascular dermatitis (perivascular only) という病理組織学的所見の相違と, それぞれの原因ウイルスの局在部位との係りを明らかにすることを目的とした.麻疹9例, 風疹11例について皮疹部より生検を行い, 麻疹P蛋白, 風疹E1蛋白に対するモノクロナール抗体を用いて皮疹部におけるウイルス抗原の局在を免疫病理組織学的に検討した.その結果, 麻疹ウイルスは表皮, 毛嚢, 真皮血管周囲と広範囲に認められ, 風疹ウイルスは主に真皮血管周囲に局在していた.以上の結果より両者の病理組織所見の違いはそれぞれのウイルス存在部位の相違に起因すると考えられた.