昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
Stage IV胃癌の成績と治療戦略
河村 正敏, 嘉悦 勉, 鈴木 恵史, 丸森 健司, 高村 光一, 田嶋 勇介, 山崎 智巳, 草野 満夫
著者情報
キーワード: Stage IV胃癌, 胃癌の治療
ジャーナル フリー

1999 年 59 巻 5 号 p. 543-548

詳細
抄録
当科で手術を行った胃癌873例のうち, 残胃癌, 重複癌症例を除くStage IV胃癌190例を対象にし, その成績と治療戦略を述べた.根治度B症例の生存率は根治度C, 非切除例に比し良好であり, また, 進行度決定因子が1因子のものは2因子以上のものより予後が有意に良好であった.3年以上生存例と3年未満癌死例の比較では3年以上生存例で有意に郭清度が高く, 静脈侵襲が少なく, 根治度B症例が多かった.これより, Stage IV症例では根治度Bを目指す手術を行うべきであり, 特に進行度決定因子が1因子の場合は拡大手術も考慮すべきである.根治度C症例では癌が1因子のみ遺残する症例の予後は2因子以上遺残する症例より良好であった.D2以上のリンパ節郭清を行った群と行わなかった群では有意差がみられず, 根治度Cではリンパ節郭清の意義は認められなかった.切除不能例では平均生存期間3.9カ月と予後が短く, 手術の適応を検討する必要がある.
Stage IV胃癌は病態が多様であるため, それぞれの症例で的確な治療方針を立てることが望まれる.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top