昭和医学会雑誌
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強力ネオミノファーゲンCにより発作が誘発された気管支喘息の1例
依田 欣之丸山 繁花岡 亮輔水野 雅夫岡田 哲朗国分 二三男足立 満柳瀬 賢次中村 美加栄豊田 高彰土手 邦夫竹内 鉄朗大島 伸一
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2000 年 60 巻 2 号 p. 300-304

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抄録
症例は62才女性, 気管支喘息, 慢性肝炎にて外来通院中であった.慢性肝炎に対して強力ネオミノファーゲンC (以下強ミノCと略す) 静注を受けた後, 鼻汁, 喘鳴が出現した.強ミノC静注負荷試験を施行したところ1秒量 (FEV1.0) 21%の低下と喘鳴を認めた.また強ミノCの成分であるグリチルリチン酸モノアンモニウム (以下グリチルリチン酸と略す) , アミノ酢酸, L-システイン, 亜硫酸ナトリウムを成分別に吸入負荷したところグリチルリチン酸にて1秒量 (FEV1.0) 13.6%の低下を認め鼻汁, 胸苦しさが出現した.本症例では強ミノCの成分であるグリチルリチン酸によって発作が誘発されたと推定された.
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