抄録
眼内レンズ挿入を含む白内障術後における嚢胞様黄斑浮腫 (Cystoid Macular Edema: CME) の発生率を前向きに調査した.40歳から80歳までの35人50眼が対象となった.本疾患に影響する糖尿病等の全身疾患および眼科疾患を有する者は除外された.白内障手術後3ヵ月目に蛍光眼底造影 (Fluorescein Angiography: FA) を行い黄斑部からの蛍光漏出を三宅の分類に従って評価した.後嚢破嚢等の術後合併症はなく, 50眼全例が評価の対象となった.本試験のAngiographic CMEの発生率は22%だった.今回の前向き調査によるとAngiographic CMEの発生率は臨床的に観察される発生率より高かった.また本試験はベースライン時に調整された症例を用い, 前向きに調査している初めての報告であり, より精確で意義があると考えられる.