昭和医学会雑誌
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HIFU照射による動脈閉塞に対する超音波造影剤の効果及びそれによる血管内皮の組織学的変化
内山 心美石川 哲也安藤 智市原 三義松岡 隆市塚 清健岡井 崇佐々木 一昭梅村 晋一郎九島 巳樹
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2005 年 65 巻 2 号 p. 165-173

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抄録
子宮筋腫は, 子宮動脈塞栓療法 (UAE) の普及を通して, 血流遮断による腫瘍縮小効果が証明されている。我々はカテーテルを挿入するのではなく, 強出力収束超音波 (high-intensity focused ultrasound〈HIFU〉) を用いて経腹的に筋腫の栄養血管を遮断し筋腫を治療する方法を考案した.血管は, 従来, HIFUによる焼灼が困難とされてきたが, 我々はラットの大腿動脈を用いた基礎実験でその焼灼に成功している.今回は, 副作用の可能性を軽減する目的で, 超音波造影剤による血流遮断の増強効果により弱い超音波強度で同じ効果を得ることができるかどうかを検討した.カテーテルを挿入したSDラットの深部大腿動脈に皮膚上より超音波ガイド下で5秒間のHIFU照射を行った.焦点距離35mm, 超音波周波数3.2MHz, 超音波強度は530, 870, 1550, 2750W/cm2とした.生食注入をcontrolとし, 超音波造影剤 (Levovist) を使用した場合の血管の狭窄程度を収縮期最高血流速度の測定により比較した.更に照射部位の病理学的変化についても検討を加えた.血流遮断が得られた最低の超音波出力は, controlでは2750W/cm2であったが, 造影剤を注入した場合は870W/cm2であった.病理所見では, 造影剤を使用した場合, 870, 1550, 2750W/cm2において血管内皮と中膜に空胞変性, 血管内皮細胞の剥離を認めた.造影剤使用下の530W/cm2とcontrolのすべての強度では, 内皮の変化は認められず, 中膜の空胞変性を認めるのみであり, 血管内皮の変性は造影剤のマイクロバブルの破壊によるキャビテーションの効果と考えられた.HIFUによる血流遮断の効果が超音波造影剤により増強されること, 及びそれにより, 弱い出力でのHIFU照射の臨床応用が可能となることが示された.
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