昭和医学会雑誌
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マウスの遅延型アレルギーに対する漢方薬の作用
齊川 真聰小口 勝司中山 貞男
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2006 年 66 巻 5 号 p. 360-369

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抄録

接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の治療に臨床的に使用されている漢方薬 (黄連解毒湯: OGT, 温清飲: USI, 十全大補湯: JTT, 当帰飲子: TI, 荊芥連翹湯: KRT, 四物湯: SMT) の塩化ピクリル (PC) およびオキサゾロン (Oxa) で誘発した遅延型過敏性皮膚炎 (DTH) の急性ならびに慢性皮膚病変に対する影響を検討した.PCを感作・誘発物質とした急性皮膚炎はBALB/c系雌マウスを用い, PC感作7日後に1回チャレンジで誘発した.Oxaを感作・誘発物質とした急性皮膚炎はBDF1系雌マウスを用い, Oxa感作後7日後に1回のチャレンジで誘発した.Oxa誘発慢性皮膚炎はOxa感作7日後から7日ごとに4回のチャレンジを行い誘発した.6種類の漢方薬はPC誘発耳介腫脹を抑制したが, OGT, USI, JTT, TIの抑制は用量依存的作用ではなかった.KRT, SMTは用量依存的抑制作用を示した.Oxa誘発耳介腫脹に対しても6種類の漢方薬は抑制作用を示したが, 用量依存性は認められなかった.Oxa4回チャレンジによる耳介腫脹に対してはOGT, USI, JTT, KRT4種類の漢方薬の作用を検討した.4種漢方薬の用量依存性はないが耳介腫脹の抑制を示した.耳介組織のサイトカインはOxa対照で減少し, OGT, USI, JTT, KRTの投与で減少が強められた.Oxa対照で増加した耳介組織のIgEはOGT, USI, JTTで抑制された.以上の結果から, OGT, USI, JTT, KRTは急性および慢性皮膚炎に対して有効であり, その抑制作用にはIgE産崖抑制が関係することが示唆された.

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