抄録
片麻痺と両側大腿骨頭壊死の重複障害にリハを行った症例を報告する.20年前に皮膚筋炎に対しステロイド内服し大腿骨頭壊死を発症, 腸骨移植術を受け歩行は自立していた.脳卒中による右片麻痺を認めリハを開始.脳卒中発症前は右股関節痛あり跛行を認めたが, 脳卒中後は感覚障害により痛み軽減し右下肢に荷重が可能となった.痛みの増悪が心配されたが安静・感覚障害により出現せず順調に自宅退院となった.その後, 両股関節痛が出現し人工股関節置換術を施行した.股関節疾患と片麻痺の重複障害に対して, 合併症に注意しながら長期的なフォローアップを継続する事が重要であると考えられた.