昭和医学会雑誌
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右前腕切断に左片麻痺と高次脳機能障害を合併した一例に対するリハビリテーションの経験
―義手検討を中心に―
山下 愛茜水間 正澄
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2008 年 68 巻 5 号 p. 296-300

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抄録
切断と片麻痺の重複障害に対しての能動義手の適応に関しての報告は多くない.今回, 右前腕切断に重度左片麻痺と高次脳機能障害を合併した症例のリハビリテーション (以下リハ) を経験したので報告する.症例は64歳の男性.50年前に右前腕切断を受傷.平成19年1月14日に左片麻痺を発症保存的加療の後リハ施行され, 3月1日リハ科転科後, 義手検討を中心に訓練継続した.食事・歯磨き動作の自立を目標に装飾用義手から訓練を開始し, 能動および筋電義手を試み, 動作が確実に行える能動義手を本義手とした.食事・歯磨き動作の自立だけでなく, 書字動作も獲得できた.本人に合致した義手検討により意欲ならびにADL能力向上につなげられた.
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