2015 年 53 巻 Supplement 号 p. S105_03
厚生労働省は、2025年を目途に重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアの構築を推進している.その為には、医療者のみならず療養者も含めた多職種間の緊密な情報共有や連携ができるクラウド型のICT(情報通信技術)プラットホームが不可欠となる.その上で重要なのは、情報基盤と連動する在宅医療介護の予防・診断・治療に貢献できるユビキタスなシステムや医工学機器が求められる.課題は「医療ITのラストワンマイル」の克服である.それには療養者宅をセンサシステムやBluetooth技術を活用したスマートホームとして、ベッドサイドのモニター機器や在宅医療機器などをシームレスに連携してデータの計測蓄積ができる仕組みを構築することである.そこで本論では、ユビキタス医工学とウェラブル端末やスマートフォンを介してあらゆるモノがインターネットにつながる医療IoTを基盤にした新しい地域医療モデルを考察する.