2016 年 54Annual 巻 28PM-Abstract 号 p. S372
Brain machine interfaceの臨床応用に向け、低侵襲度・高情報量というバランスのとれた計測手法として皮質脳波(Electrocorticogram, ECoG)計測が注目されている。腕運動等のデコーディング精度向上に向けて、ECoG電極の多点化高密度化を目指す研究が進んでいるが、実際にその有効性を評価した報告はこれまで少なかった。今回我々は自作した多点高密度電極の有効性を評価するため、アカゲザルでの体性感覚誘発電位(SEP)を対象とした計測および評価を行った。まずパリレンをベースとした96chの柔軟電極を作成した。電極は350ミクロン四方の金とし、電極間距離は700ミクロン、厚さは20ミクロンとした。手術では中心溝を慎重に開いたのち、1野および3b野に電極を留置した。プロポフォール麻酔下に反対側の手の5指それぞれに複数強度での電気刺激を行い、皮質脳波電極によるSEPが計測できた。得られたSEPの空間的パターンを解析した結果、従来の針電極を使用した先行研究と概ね一致する結果が得られた。加えて、サポートベクターマシンを用いた刺激指と刺激強度の推定を行い、高い推定精度を得ることができた。