生体医工学
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抄録
心拍変動の大規模データに見られる集団特性の数理構造
清野 健野村 泰伸山本 義春早野 順一郎
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2017 年 55Annual 巻 3PM-Abstract 号 p. 211

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抄録

現在,Allostatic State Mapping by Ambulatory ECG Repository(ALLSTAR)研究において,日本国内で計測された30万例超の24時間心拍変動データが分析されている.本演題では,ALLSTAR研究のデータを用い,ビッグデータのような大標本化によりはじめて見えてくる心拍変動の集団特性を紹介する.そのような集団特性の一例は,心拍変動指標の分布が正規分布とワイブル分布の混合分布で良く近似できるということである.我々は,尤度最大化を基準とした修正EMアルゴリズムを用い,正規-ワイブル混合分布を観測データの分布にあてはめる方法を開発した.心拍変動の特性を定量化するために,時間領域指標,周波数領域指標,非線形指標など,多くのものが提案されているが,ほとんどの指標に対して,正規-ワイブル混合分布は良い近似を与えた.このような分布に関する知見は,各指標の基準範囲の推定などへの応用が期待できる.講演では,異なる心拍変動指標の間にみられる非線形な関係性などについても紹介する.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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