2017 年 55Annual 巻 3PM-Abstract 号 p. 228
本発表では、深層学習(deep learning)などの機械学習を用いて、専門医レベルに近い革新的な高性能診断支援を実現するような、新時代の計算機支援診断(computer-aided diagnosis, CAD)システムの開発について紹介する。従来のCAD開発の壁の一つに、診断論理設計の困難さが挙げられるが、深層学習ではこの問題を回避可能な、すなわち診断に有用な画像特徴量抽出やそれらをどのように診断に用いるかなどを明示的に与えることなく、大量のデータを与えるだけで適切な診断論理を学習的に自動獲得する新しいCADシステムの実現が可能になると期待されている。また、そのような機械学習に必須な医療ビッグデータが、これまで集権的組織の大規模資源が必要だった問題を解決するための、より柔軟な繋がりを持つ自律分散型の新しいシステムの枠組みを提案し、その技術的課題について考察する。