生体医工学
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抄録
乾式脳波計で観測されるSSVEPの検出アルゴリズムの検討-レスト状態の検知可能なアルゴリズム-
関 崚平船瀬 新王内匠 逸
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2017 年 55Annual 巻 4AM-Abstract 号 p. 317

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抄録

近年,SSVEP(Steady-State Visual Evoked Potential)を利用したBCI(Brain-Computer Interface)の研究が進んでいる.我々はこれまで湿式電極を用いた脳波計を使用して,SSVEPの検出アルゴリズムについて検討を行ってきた.しかしながら,湿式電極を使用した脳波計を装着する際,ペーストを使用し電極を固定する.これは,使用者の不快感を発生させるものである.そこで,本研究では乾式電極を使用した脳波計でSSVEPを測定し,その精度を確認する.また,従来研究では刺激呈示時と安静時のSSVEPの判別を行っていないという問題点がある.そこで,本稿では刺激呈示時と安静時のSSVEPを判別するためのSSVEP検出アルゴリズムを提案する.被験者4名に対して反転周波数10,12,15Hzの3種類でパターンリバーサル刺激を呈示する.脳波は乾式脳波計を用い,それぞれ10秒間計測する.解析には,短時間フーリエ変換を利用する.先行研究では,周波数の含有率を算出することにより,SSVEPを検出した.本稿では,フレーム毎にパワーが最大となる回数に着目するアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは最大となる回数に閾値を設け,刺激呈示時と安静時の判別が行える.実験結果より,刺激呈示時では刺激周波数と同じ周波数でパワーが大きく出現することが確認された.また,被験者4名で刺激呈示時と安静時の平均検出率はそれぞれ,83.7%と89.0%となった.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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