生体医工学
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抄録
ヒトに対する迷路課題における難易度パラメータの検討
横田 和幸船瀬 新王内匠 逸
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2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 346

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抄録

近年,ラットを用いた迷路課題が数多く行われている.しかし,ヒトに対しての迷路課題は検証されていない.本研究では,ヒトに対して迷路課題を行い,ヒトに対する迷路課題における難易度の要因を決定することを目的とする.ヒトの迷路難易度に影響するパラメータを決定することを目的とした実験を行った.本実験では,ディスプレイ上に迷路を表示し,キーボード操作により探索を行わせる.本実験は,二日連続で実施される.一日あたり15面の迷路探索を行い,二日間で合計30面の迷路探索を行う.同一の迷路に対して三回続けて迷わず迷路探索を終了することで別の迷路に切り替わる. 迷路作成時に設定する迷路のパラメータが二点存在する.一点目は,スタートからゴールまでの最短歩数である.二点目は,スタートからゴールまで最短ルートで進んだ際に通過するT字の個数である.上記の二点のパラメータ以外に,迷路全体のT字の個数を解析時に使用する.被験者ごとのデータから迷路の難易度を推定するためのパラメータとして,各迷路の探索を終了するまでの回数を設定する.迷路のパラメータと被験者ごとのデータを用いて相関係数を算出し検定を行う. 一日目の迷路では,最短歩数と終了までの回数に相関が見られた.同様に,ゴールまでのT字の個数と終了までの回数にも相関が見られた.二日目の迷路では,迷路全体のT字の個数と終了までの回数に相関が見られた.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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