生体医工学
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抄録
位相シフト法を利用したカフ無し血圧計の開発と応用
尾股 定夫
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2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 362

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抄録

バイタルサインの中で血圧値は極めて重要なパラメータであるが、手軽に、しかも連続的にセンシングできる血圧計は未だ医療機器として実現されていない。しかも今日のIOTやICTの急速な発展によって、カフ等の圧迫帯を利用しない手法で、血圧を連続的に、しかもリアルタイムに測定できる血圧計の実現が急務となっている。 現在、脈波の伝搬速度から血圧値に変換する手法や、手首に圧センサを接触させてカフ式血圧計で校正して血圧を求める手法等が研究成果として報告されているが、血圧をリアルタイムで、しかも非侵襲法で連続的に測定できる手法の実現は不透明である。しかも、血圧に関する概念が約200年前に認識されて以降、血圧と密接な関係にある脈波から血圧を直接、且つ連続的に測定できる血圧計の可能性については開発研究が十分になされていない。 このような状況の中で、約20年前から筆者らもカフ無しで連続的に測定できる血圧計の開発に挑戦してきた。初期の段階から非侵襲的な手法で簡便に血圧を測定できる計測原理の開発を行い、しかも校正を必要としない新しい測定手法の開拓に努めてきた。本研究では、非侵襲的に、しかも連続測定できる血圧計の試作開発に成功した「カフ無し血圧計の基本的な計測原理と血圧変換へのプロセス」について、研究成果の一部について、その概略を報告したい。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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