Journal of Computer Chemistry, Japan
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総説
経路積分分子動力学法を用いたミューオニウム化分子の理論的解析
大場 優生河津 励立川 仁典
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2020 年 19 巻 3 号 p. 94-98

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抄録

経路積分分子動力学(PIMD)計算により,ミューオニウム化アセトン分子(Mu-ACE)における超微細結合定数(HFCC)を算出した.アセトン酸素原子とミューオニウム間距離(ROMu)の伸長方向のポテンシャルの非調和性のもとで,ミューオンの大きな量子効果のためにROMuは伸長することが分かった.この際,ミューオンがラジカル電子を奪って中性Mu原子としての配置が出現することにより,HFCC値が増大することも分かった.水素化アセトン分子(H-ACE)に対しても同様な計算を実施しところ,HFCC値の実験値の大小関係を定性的に再現することができた.

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© 2020 日本コンピュータ化学会
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