2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 365
夜間の血圧変動は心血管系疾患の発症率と関係が深く,就寝中の負担の少ない連続的な血圧モニタリングの実現が望まれている.本研究では,就寝時の連続的な血圧変動量推定を目的とし,計測時の姿勢(着座姿勢・寝姿勢)の違いによる影響に着目した.これまでの光電容積脈波の形状パラメータから血圧変動量を推定する手法において,姿勢の違いが脈波パラメータや推定精度にどのような影響を及ぼすかを調査した.まず,姿勢の違いを吸収するための脈波パラメータの規格化の効果を実験により調べた.次に,姿勢ごとに学習データベースを準備し,それぞれ専用の推定式を構築した.さらに,この寝姿勢の学習データベースを用いて,就寝時から起床時までの睡眠中の血圧変動量推定を試みた.