神奈川県藤沢市において7年6ヶ月間屋外で使用されていたセランガンバツ材製の木製ベンチを塗装処理するために,塗装前処理としての洗浄処理を市販の各種洗浄剤,漂白剤を用いて行い,それらの洗浄効果を検討した。屋外での使用により灰色化していた木製ベンチは,洗浄により明度(L*)及び彩度(C*)が増加する傾向を示すため,洗浄効果を明度及び彩度を用いて評価した。その結果,製品による効果の差があり,塩素系の木部用漂白剤が高い洗浄効果を示し,特に酸素系と塩素系の両方の漂白剤を含む製品が最も洗浄効果が高かった。一方,塩素系漂白剤でも家庭用や台所用の製品は使用時の希釈倍率が高く塩素濃度が低いため,木材の洗浄効果は低い結果となった。また,木部用でも界面活性剤による洗浄剤のみでは十分な洗浄・漂白効果は得られなかった。 以上から,屋外で使用されている木材の塗装前処理としての洗浄処理においては,木部用の漂白剤を使用することが望ましいと言える。