生体医工学
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抄録
多重スケールSavitzky Golayフィルタを用いた生体信号のピーク波形形状の解析
藤田 壌岸田 邦治飛松 省三清野 健
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2017 年 55Annual 巻 5PM-Abstract 号 p. 478

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抄録

生体信号の分析に基づく臨床検査において,ピーク位置の検出や波形形状の判別が必要とされる場面は多い.そこで,本研究では,多重スケールSavitzky-Golay(S-G)フィルタを用い,生体信号に現れるピーク波形形状を解析する方法を提案する.S-Gフィルタとは,移動平均フィルタを一般化したもので,移動平均の計算で用いる定数フィッティングを,多項式フィッティングに置き換えたものである.S-Gフィルタでは,多項式の次数dと,それをフィッティングする移動区間の幅(スケール)がパラメタである.S-Gフィルタの利点は,高次多項式を観測波形にあてはめることで平滑化されたピーク波形の歪みを低減でき,効率的にノイズを除去することができることである.さらに,d次S-Gフィルタでは,フィッティングされた多項式を微分することで d次以下の微分係数も同時に求めることができる.本研究では,S-Gフィルタのスケールを固定せず,ウェーブレット解析のようにスケールを変化させて適用することで,波形形状や周波数特性が異なる複数の波形の特徴量を分類することが可能になることを示す.さらに,脳波や心電図解析への応用について議論する.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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