生体医工学
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医療の電磁波はどこで何が問題なのか
長倉 俊明
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S161

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抄録

 1980年代にPCが一般へ普及し、病院では臨床検査検査や会計に導入された。しかし、まだ一部のユーザーに限られた。さらに1990年頃からPC通信が普及し、ユーザーインターフェースの改良でユーザを拡げた。そしてこの頃からインターネットが普及し、オーダリング、電子カルテを普及させ、医療職全員がユーザになった。そして2000年にはテレビや電話のような技術すべてがコンピュータとネットワーク技術に収斂する時代に突入した。これは医療業界も検査技術、治療技術にもPCとネットワーク技術が導入されている。これまでは有線だったが、無線接続が一般にも普及しており、病院でも普及が始まっているが、旧来の400MHz帯の縛りを抜けきっていない。しかし、国際的多目用途用のISM帯(Industrial, Scientific and Medical Band)の使用を、PMDAの規制条項が認める方針を2016年11月に通知している。 ネットワークを含むデジタル機器と化した医療機器にアナログ時代の400MHz帯ではなく、ISM帯使用を訴えてきたが、本邦でも早急に活性化しなければならない。既に海外では無線LANやBluetooth製品があり、国内企業も参入している。さらには心不全もモニターと携帯電話を組み合わせたデバイス、血糖値を計測する体内移植デバイスも認可されている。このようなデバイス普及は国内企業参入の弾みになるので、我々はデータを収集し、電磁波による生体の安全性を学問的に明確にする研究を行っている。

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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