生体医工学
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マイクロ加工を利用した電気インピーダンスによる細胞の配向方向検出
橋本 成広田村 卓也高橋 優輔日野 遥
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S170

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抄録

生体組織における細胞の配列状態を検出する方法の一つとして、電気インピーダンスがある。局所のインピーダンスを検出するために、振動電極や同心円針電極などの工夫が考えられてきた。他方、マイクロ加工技術によって、マイクロメートルオーダーの表面凹凸の作成が可能となり、細胞培養技術における足場への適用によって、細胞の配向を制御することが可能となった。本研究では、表面電極間の電気インピーダンスと細胞の配列状態との関係を測定した。フォトリソグラフィー技術によって、ガラス表面上に1.2 mm間隔で1対のチタン表面電極を作成し、また、電極間に高さ1μm、幅3μm、間隔3μmのラインアンドスペース形状を作成した。酸素アッシングによって親水化した後に、細胞培養の足場に用いた。細胞には、マウス株化筋芽細胞C2C12を用い、培地D-MEM内で、4日間培養した。1日に1回、電極間に周波数1 Hz~1 MHz、振幅0.1 V~5 Vの正弦波交流を印加することによって電気インピーダンスを測定した。4日間の培養において、細胞の長軸方向は、ラインアンドスペースの長軸方向と平行に配列した。測定結果においては、周波数特性が見られ、0.1 MHzにおいて細胞の配列・細胞数に応じた電気インピーダンスの変化が測定された。電気インピーダンスによって細胞の配向方向を検出できることがわかった。

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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