生体医工学
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fNIRS国際規格ISO/IEC80601-2-71検討の経緯
江田 英雄
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S186

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抄録

技術で勝る日本が必ずしもビジネスには勝てていなかったこと,そのためにビジネスプラン,特許,標準化の適切な検討が重要であることが指摘されてきた.特許と標準化検討は,ビジネスのみならず,研究にも必要とされている.しかしながら,研究者が標準化の活動について知る機会は少ない.ここではfNIRS国際規格検討経緯を紹介する.また,研究者にとって必要な標準化活動の情報を示すとともに,研究との関わりについて検討する.標準化には2つの意味があることに注意が必要である.広辞苑第7版によれば(1)標準に合わせること,(2)工業製品などの品質・形状・寸法を標準に従って統一することの2つである.前者はすでに存在する規格にどのように適合するかであり,後者はどうやって規格を作成していくかであり,両者の実際の活動は全く異なる.規格作成にあたっては,まず規格に関する知識を得ることが必要である.主な知識は,日本工業標準調査会(JISC)のホームページから得ることができる.近赤外光を用いて酸素化ヘモグロビン変化と脱酸素化ヘモグロビンを計算する脳計測装置(fNIRSと略する)は,日本から2011年にIECに新規提案され,ISOとのジョイントワーキンググループが開催された.数回の国際会議を経て,80601-2-71として2015年に出版された.

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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