生体医工学
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大学における臨床工学技士教育の課題と展望
篠原 一彦
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S217-1

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抄録

演者が外科に入局した時代は臨床工学技士制度発足前であり、術後急性腎不全発生時には、医療機器メーカーの担当者とともに研修医が透析を担当していた。人工心肺操作も2 年間の一般外科研修を終えて心臓外科の研修を開始した教室員が、企業からの技術者とともに担当していた。人工臓器と開心術の黎明期に育った教授たちは、「以前は人工臓器グループ総出で行なっていた体外循環を新米医師が行なえる時代になった」と語っていた。今日では体外循環は専ら臨床工学技士が操作する時代となり、人工心肺の操作経験のない心臓外科医が中堅となって久しい。現任地の臨床工学科では3 年前期の学部学生が学内実習室で透析装置や人工心肺装置の操作技術を修得している。私立工科大学の臨床工学科新設に認可申請・教員審査の段階から関わった外科医の立場から、人的資源も含めた臨床工学技士教育の課題とともに、先進医療機器の研究に貢献しうるコメディカルスタッフの卒後・大学院教育の課題と展望について私見を述べる。

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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