生体医工学
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エポック間平均脈波数変動を使用した覚醒反応と覚醒段階の検出精度に関する検討について
藤江 建朗田川 統基中村 英夫
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S401

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抄録

覚醒は睡眠障害の病態生理に深く関わっているといわれている.また,睡眠中の覚醒反応検出のために,体動,心拍や脈波などを利用した研究が報告さている.本研究の目的は,睡眠中の覚醒反応および覚醒段階の検出のため脈波数変動を使用して検出することとする.

方法は,健常若年男性20名(20.5±1.1歳,平均±SD)を対象に睡眠ポリグラフ検査を実施し,睡眠中の脳波,心電図,筋電図,脈波などを計測し記録した.記録した生体信号から,American Academy of Sleep MedicineのマニュアルVer.2.1に基づき睡眠段階と覚醒反応の視察判定を行った.また, 1エポックを30秒毎に区分けしてエポック間脈波数の標準偏差(pulse rate variability : PRV)を求め,PRVを使用し睡眠中の覚醒反応および覚醒段階の検出の有効性について,感度,特異度,偽陽性,偽陰性,ROC曲線下面積(area under the curve : AUC)を用いて検討した.

結果として,PRVのカットオフ値は2.33であった.PRV-2.33での感度と特異度はともに0.80,偽陽性と偽陰性はともに0.21でAUCは0.86であった.PRVを使用した睡眠中の覚醒反応と覚醒段階の検出するための指標としての利用可能性を示唆した.

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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